トリコモナス膣炎はトリコモナス原虫に感染されることによって発症する性感染症の一つです。主な症状は、膣の痒みや痛み、おりものの悪臭やおりものの増加などがあらわれるようになります。男性よりも女性の方が感染しやすく、症状も重くなる傾向があります。また、性行為が無くても感染する可能性があることを知っておきましょう。

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ヘルペスとトリコモナスに同時感染しても妊娠できる?

ヘルペスはウイルスを原因とする性病であるのに対し、トリコモナスは原虫による性病で各々病気の元の性質がことなります。
ヘルペスとトリコモナスはトレードオフの関係に立つわけでもないので、両方に感染することは必ずしも珍しいと言うわけではないのです。
そこで両方に感染している女性が、妊娠する可能性のある場面に直面することも多いにあり得るのです。

それではこれらに感染することが妊娠に影響するのでしょうか。
まずトリコモナス感染と妊娠の関係はどうなのか。
この点については、トリコモナス感染は不妊の原因になるリスクがある旨が指摘されています。
膣の炎症が卵巣や卵管に波及し、排卵機能に異常をきたす可能性があるからです。
たとえ妊娠しても、細菌性の膣炎を合併しやすく早産や流産のリスクが高まるとされています。

ヘルペスと妊娠の関係はどうなのでしょうか。
前提としてヘルペスに感染したからといって不妊のリスクは特にありません。
そこで問題になるのは胎児へのヘルペスの影響にあります。
特に出産をまじかに控えた妊娠30週以降に発症した場合に性器ヘルペスなどの症状が現れた場合、母子感染のリスクが顕在化することになるのです。
発症したままでの出産は産道感染のリスクが高くなるので、帝王切開による分娩が推奨されています。
とりわけ危険なのは妊娠中に初感染した場合、発熱を伴う重症化のリスクが高くなり、母子共に危険な状態になるわけです。

さらに出産後も母子感染のリスクは存在します。
生後1月程度までは抵抗力が非常に脆弱で、出産後の新生児にキスや頬ずりする程度の接触でも赤ちゃんにヘルペスウイルスが移る可能性もあるとされています。

このような事実を踏まえると、確かにヘルペスやトリコモナスを保菌していても妊娠することは可能ですが、安全に出産が出来るのかと問われれば、相応のリスクを負うと応えざるを得ません。
そこで子供をもうける意向であれば、事前に検査を受けておき、妊娠前に必要な治療を済ませておくことが賢明です。

ヘルペスもトリコモナスは薬で治療できるので大丈夫!

女性は、ヘルペスウイルスに起因する性器ヘルペスの発症時も原虫に起因するトリコモナスの発症時も発症初期には自覚症状の無い感染患者が大半を占めます。
妊娠中の女性は妊婦の定期検査で性病の性器ヘルペスとトリコモナスに重複感染している事を知る方も多くいますが、ヘルペスもトリコモナスも薬で比較的簡単に治療出来ます。
一般的に妊娠中は、お腹の子供への悪影響を考慮して治療薬の服用を控えます。
ヘルペスは再発リスクが高いだけで無く、分娩時の産道感染のリスクがあります。
そのため、専門医の判断で治療上の有益性がヘルペスの危険性を上回る感染患者に対して、バルトレックスやゾビラックスなどのDNAポリメラーゼ阻害薬が処方されています。

バルトレックスやゾビラックスは、主成分のアシクロビルが感染細胞内でアシクロビル3リン酸に活性代謝されます。
ヘルペスウイルスのクローニングのポリメラーゼ連鎖反応に構造が酷似しているデオキシグアノシン3リン酸と置換される事によりヘルペスウイルスの増殖を抑制する医薬効果を発揮します。

特にバルトレックスは、主成分のアシクロビルにアミノ酸のバリンをエステル結合させたプロドラッグのバラシクロビルを主成分としています。
小腸からの吸収率が向上すると共にバイオアベイラビリティも向上し、1日の服用回数も2回と少なくなっています。

出産後の授乳期の服用は、活性代謝薬物のアシクロビルが母乳に移行する事が確認されているので、授乳期の服用は専門医に相談し指示に従う必要があります。
その為、妊娠中と授乳期の服用は、専門の医療機関で処方される治療薬のみを服用するのが好ましいとされています。
個人輸入や輸入代行の通販で購入した治療薬は国からの医薬品副作用被害救済制度も受けられないので注意しましょう。
ただ、医師の診断を一度受けたりした場合などは、バルトレックスは通販でお求めになっても良いでしょう。その際は、通販サイトに「特定商取引法に関する表記」の記載があるかどうかをチェックしましょう。